地域活動

政務調査レポート

静岡県静岡市(平成26年5月29日木曜日)

視 察 日

平成26年5月29日(木)

視察場所

静岡県静岡市 (説明:静岡県立総合病院 安田清医師)

視察項目

市民トリアージ事業について

意  見

  1. 事業概要(目的と具体的内容)
  2. 静岡市では医師会などが中心となりNPO団体「静岡地区災害時医療対策連絡会(静災連)」を設立し、東海地震での被害想定とそれに対し、実際の医療や消防などの救護力について地域ごとに示しながら、住民に対して住民が災害時自立して地域を守れることの重要性の周知と災害時医療の訓練に関する事業を行い、また住民と、病院、行政との連携を構築することを目指している。
    中でも「生き残ること」を目指す防災として、災害時において医師がいないあるいは不足している状況で、「市民のできること」と「医療機関がやること」を明確に分け、市民自らができること担うこととして、トリアージの知識を習得し、有効な対処が出来るよう「市民トリアージ」の訓練と周知を行っている。
    この「市民トリアージ」は独自に「市民トリアージ表」を作成し、自治会やPTAまた地域の開業医などと地域の災害訓練の中で実際に表を使い体験する。
    また、阪神大震災時に課題としてわかってきた、「クラッシュ症候群」についてもトリアージ表に症状が記載され、対応できるように工夫されている。
    2001年より訓練をした地域は静岡市地域救護所は39か所中、22か所。参加市民は延べ2万人(5%)を超えている。

  3. 今後の課題と所見
  4. 災害拠点病院の医師などが中心となり、この活動が進められてきているが、現場としての地域では中心になる町会役員や団体役員などが定期的に変わることから、その周知の徹底や連携が課題とされている。
    北区としても今後、災害拠点病院と医療救護所の体制化や医師会との連携、自主防災組織との連携など、優先される課題が多いなかではあるが、区民のできることとして、「区民トリアージ」の取り組みがなされることは、有効であると感じた。ただ行政が制度化しても、活動面で中心となる医師や区民の方が組織されていくかが課題であることも視察で熱心なお話を伺って考えたことの一つである。それらも含め、今後も研究と取り組みを強化していきたい。

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