地域活動

政務調査レポート

静岡県浜松市、静岡県焼津市(平成23年12月26日水曜日~27日木曜日)

視 察 日

平成23年12月26日~27日

視察場所

1)静岡県浜松市
2)静岡県焼津市

視察項目

1)市制100周年事業について
2)病院・医師から見た地域医療・介護のあり方について

意  見

1)静岡県浜松市―市制100周年PR事業について

2011年で市制100周年を迎えた浜松市の100周年事業について企画課長、広聴広報課シティープロモーション担当の方よりお話を伺った。
浜松市はこれまでの市町村合併で2007年に人口80万人を超え、政令指定都市に移行、現在は82万に迫る静岡県の中核都市である。
今回100周年事業を行う大きな目的として、
1・イベントを通し、市民の協働の芽を出すこと
2・100周年を市民、また広く全国に周知すること
が掲げ、企画された。その主なものとして
1・市民の100周年記念事業実施委員会方式による「100夢プロジェクト」
(→市民、市民団体より公募によるイベント事業、1イベント100万円を上限とした補助100団体を1年間3回にわたり募集したところ、150団体の応募と大変な反響があったため、150団体150事業の実施となった。イベント会場で一斉の実施になりがちであるが、市内の各地全域で共通の100周年事業の幟旗を立て、実施。イベント内容が分かるように、すべての事業が記載されたパンフレットを作成、配布された。)
2・企業やメディアとの連携、マスコット「出世大名家康くん」などによるPR企画
(・地元を代表する大手企業に100周年PRポスターを全国の支店・営業所で掲出  
・新聞広告2社、マスコミ訪問東京大阪計20社 
・「はままつ新喜劇」公演。  
・「出世大名家康くん日本縦断の旅」による18都道府県27市区町訪問PRー報道獲得件数86件、広告換算額合計98,858,911円) 

「区民と共に」を掲げる北区に大変参考になる「100夢プロジェクト」だと感じた。周年行事などは式典+αのようなイベントというものが多い中で、市民自ら市を盛り上げるべく様々なイベントを企画提案し、市内全域で開催された取組はまさに協働の原点であると思う。反面、課題としてはその市民活動が補助金なしで継続していけるのかという点にあると思った。

また、2の企業やメディアとの連携、マスコット「出世大名家康くん」などによるPR企画については、市制100周年PRに留まらず、自治間競争が叫ばれる中、市を内外に売り込むために従来の広報、観光の棲み分けに加えて、シティープロモーション担当を設置し、徹底したPR活動がなされている事に感銘をうけた。北区としても参考となる取組であると思う。住みよい良い街づくり、政策を実施しつつ、多くの方に北区の良さをPR・発信し、移り住んでいただく、またお買い物に来てきていただく、観光に来ていただく…その為の積極的な活動を今後は取り組む余地があると感じた。

 

2)静岡県焼津市―病院・医師から見た地域医療・介護のあり方について

焼津市立総合病院、病院事業管理者菱田明先生に下記の視点からお話を依頼しました。
1・成人病に対して
2・医療と介護の連携について
3・医療と介護の一体化について
しかしながら、医師の立場から見た介護、介護との連携は議員、行政との担うその役割の違いから、伺うことができませんでした。
医師はいかに疾患を治療するか、予防するかの観点であり、その医療と介護を繋ぐ役割はその専任、専門部門が行うべきことで焼津市立総合病院では「地域医療振興室」が担当されていました。
菱田医師からは
1・健康長寿(寝たきりと呆けのない長寿)
2・慢性疾患の時代
3・高齢化社会
4・総医療費の高騰
5・病院崩壊
など、高齢者が介護状態にならないための、「地域医療のあり方」についてのお話を伺いました。
病気の経過が医療技術に左右される急性疾患に比べ、患者の生活や意志に左右される慢性疾患がこれからも高齢化社会の中で大きな割合をしめていくなかで、医師や病院、患者や家族、行政もその意識と対応を変化させる事が必要になってくる。主には医師や病院はその病気の経過や傾向を初期の段階で患者に説明、教育していく事、また病気とうまく付き合っていく主体となる患者や家族も自助努力をしていく事。行政の役割として、疾患の早期発見と生活習慣の変化、健康づくり増進を啓発していく事が重要である。こうした活動をそれぞれがまず努力し、介護を必要としない高齢者社会を求めたうえで介護と医療の連携や一体化について議論する事が重要であると今回の視察で考えたところです。

北区でも今後、介護の現場において医師会を通じ医師との連携が図られるが、上記のような視点をもって臨む必要があると大変参考になった視察でした。

 

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