地域活動

政務調査レポート

熊本県水俣市(平成21年10月30日金曜日)

委員会名

区民生活委員会

視 察 日

平成21年10月30日金曜日

視察場所

熊本県水俣市

視察項目

先進的な環境施策への取り組みについて

 

意  見

1・環境首都まちづくりの組織化について
水俣市は公害で苦しんだ経験を踏まえ、「環境モデル都市づくり宣言」を1992年に、1994年には水俣病犠牲者慰霊式で市長が反省の意を初めて表明し、ど「環境基本条例の制定」をする。水俣病というマイナスの資産をプラスの資産に変えていくことを目標に市民生活、産業活動、行政政策などすべてに「環境」という視点を取り入れ、住民一体になって国際的にも認められる環境モデル都市づくりを目指している。
組織は・市民組織「環境首都まちづくり市民会議」(出会いの場・討議の場としての機能をもつワークショップ形式の5部会)が中心となり「環境首都まちづくり委員会」(環境保全・創造に関する施策と環境をとおした望ましいまちづくりを進めるためにされた委員会)と・市職員組織「環境首都まちづくり推進会議」と「環境首都まちづくり研究会」と協働し、市民・市民団体・事業者・などが関わり、それら全ての市民の取組、実践による「環境モデル都市」を構築している。

 

2・住民・事業者と連携した環境への取り組みと環境をキーワードにした地域づくりについて
・環境マネジメントシステム(ISO14001)の構築と取組―我が家のISOの創設と認定、学校版環境ISOの展開、旅館ホテル版環境ISO、畜産版環境ISOなど。
・「環境にいい店づくり」の認定 ・環境マイスター制度発足と認定
・環境ビジネス促進の産業団地を造成
・ごみリサイクルと減量…ゴミの22種類分別、大型スーパーと食品トレイ廃止協定締結、有機資源の循環システムづくりと展開など

 

3・環境学習について
・みなまた環境大学―大学生が主な参加者、環境ビジネスへの発展
・水俣病を語る市民講座 ・水俣病資料館 ・熊本県環境センター

 

4・生態系に配慮した取り組みについて
・市民による水源林の造成、漁民の森づくり
・企業との環境保全協定

…「過ちを教訓に」と「環境」の視点をすべての施策、まちづくりに取り入れる徹底した活動は「環境都市」として国際会議やイベントが開催されるなど、国際的にもその活動が認められている。その環境への取組は区の環境施策に対しても大変、参考となった。また「環境」の徹底したこの取り組みから、「水俣病」が市や市民に与えた被害の大きさも想像できたが、市は水俣病という市の課題と向き合い、逆にプラスの活動にしていく過程を見ることができ、感動とともに、区としてとらえるべき課題とは何か、またどのように取り扱うことができるか…勉強になった。

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