地域活動

政務調査レポート

静岡県三島市(平成21年5月29日金曜日)

視 察 日

平成21年5月29日金曜日

視察場所

静岡県三島市

視察項目

ふるさと納税の取り組みについて

 

意  見

ふるさと納税とは…2008年4月30日の地方税法等の改正により、個人住民税の寄附金税制が大幅に拡充される形で導入された。地方自治体に対する寄附金のうち、5,000円を超える部分について、個人住民税所得割の概ね1割を上限として、所得税と合わせて全額が控除される。2008年中に寄付をした場合は、2008年の所得税確定申告により所得控除がなされ、個人住民税は2009年度分が税額控除される。寄付の受け入れや具体的な手順については、各地方自治体が条例で指定する。


1・取組み内容
・「ふるさと納税検討会」設置…財政部が統括し、企画部・環境市民部・地域振興部・民生部・教育部をメンバーとして開始、それぞれの部課が役割を担い、
市役所内の連携を取りながらの、積極的な取り組みがはじまる。
・「啓発・周知活動」 

①市HP掲載 ②広報みしまに掲載→ふるさと納税の説明に加え、三島市の活動などを紹介し、寄付金の活用法を説明しており、とても分かりやすい。③市長定例記者会見で取組発表 ④報道機関への取材協力→県内他市との取組みの比較取材や三島市出身のスポーツ選手からの寄付について掲載。
⑤市内イベントの三島夏まつりで啓発用うちわ(2000本)配布→帰省中の人へのPRとなり、この日以降の納付が増える。
⑥職員の親族や知人等への協力依頼→他地域に住む、知人・親族へPR。
⑦市外から通勤している職員への協力依頼→管理職を中心に協力が広がった。
⑧市職員がチラシ配布協力依頼→同窓会など、人が集まる時が効果的だった。
・「寄付者へのお礼」…1万円以上と以下に分け、お礼内容をかえている。
特に「箱根西麓野菜」の発送は地元農協との協力で実現。いいものを安く、また地場産品のPRと、消費ができ効率的である。箱詰めなどは職員と組合員とで作業。

 

2・実績―平成20年度の実績…60件、3,218,001円―件数では県内1位、金額では2位。

 

3・使い道―その年の補正予算に計上し、税と同じく使途を限定しない原則一般財源として活用。ただし、寄付者からの用途指定がある場合は特定財源として活用。

 

4・課題―・制度のマンネリ化による寄付金の減少対策
・事業効果、費用対効果について検討…コストがかかる
(啓発・周知活動での経費は約50万円)

 

5・所見―他地域との競合を想定し、早い段階から市長を先頭にかなり積極的な取組みがされた成果であると思う。
県内寄付の半分は管理職など、職員からであったり、一般職員からもPR方法を募り、同窓会などでのチラシ配りを自らするなど、市あげての取り組みはすごい。
また、寄付者へのお礼で地場産品の野菜を送ることは寄付者にとっても、生産者にとってもメリットが大きいが、コスト面に心配が残る。
ふるさと納税PRで他への波及効果がどのくらいあるのか、今年度はその視点をもって取り組みが継続されるとのこと。今後も経緯を見ていきたい。
また、北区として平成20年度は1件、2万円の寄付に留まっていることから、三島市の取り組みは大変参考になった。ふるさと納税の性質上、都心での取り組みは難しい点もあるが、北区をPRするきっかけとしても、価値のある取り組みである。

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